月餅
今日は中秋の名月。
日本の月見団子のように、中華系の人たちは月餅を食べます。
日本人が思う月見団子よりももっと思い入れがあるようです。
鬼節が終わるや否や、ガーニープラザでは、大々的な特設月餅販売コーナーが設置されました。
どんな月餅が売ってるのかなぁとふらっと覘いてみようと思ったら、
それぞれの売り場の売り子さん達が早口の中国語で商品説明。
「5分だけお時間ください。うちの月餅はこんな種類があって、これは〜〜、この種類は〜〜。」
標準語のみならず、福建語でまで話しかけられるので、何を言ってるか、分かりませ〜ん。
この月餅、案外いいお値段がします。1つ10RM以上するのが当たり前。
家でも食べますが、お歳暮のように他の人に送ったりするので、相当量の月餅がこの時期販売されます。
お店の月餅商戦も、日本の和菓子屋さんのような綺麗な箱につめたり、月餅以外のもの
(筆やぬいぐるみなど)とセットしたり、今までの伝統的な月餅とは違った新しいタイプの月餅を
売り出したりと様々です。
働いていた頃は、中国の取引先が多かったため、その時期になるとしょっちゅう月餅を頂きました。
私は中の卵がどうも苦手で、月餅はあまり好きな食べ物ではなかったのですが、
それでもあんまり熱心に勧められるし、見た目がきれいだったので、何個か買ってしまいました。
今日は中秋節なので、お友達を呼んで一緒に味見。
月餅はカロリーが高いし、大きいので、一人一個は食べられません。
そもそも丸い月餅は「家族円満」を願うもので、家族の長が月餅を切ってみんなで食べるのだとか。
左側のお皿に乗っている月餅が甜園密語の「雪月冰皮」
日本の和菓子のような趣で、新しいタイプの月餅です。
黄色いものが「一見鐘情」と題された月餅。
日本の紫サツマイモを使用した餡をパンダンの薄皮で包んだもの。
緑の方が「函館の夢」と題された月餅。
紅豆餡を緑茶風味の薄皮で包んだもの。
右側のお皿には「潮州月労(にくづきに労)餅」
これも月餅?とお店の人に聞くと、潮州の月餅だということ。
月餅にも色々あるようで、蘇式の一種の月餅だと思います。
外はパイ生地、中に餡が入っています。
日本にも外がパイ生地で中に小豆のお菓子ありますよね?
味見をすると、それとよく似ていて、馴染みのある美味しさでした。
チビ次郎、結局この月餅、約半分くらい一人で食べちゃいました。
月といえば、阿倍仲麻呂の有名な句「天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも」
奈良に住んでいた私には、この句がとてもしっくり心に添います。
今日の夜はあいにくの曇り空。
丸いお月様は見れませんでしたが、月に思いを馳せ、日本を懐かしく思いながら、月餅を頂いた中秋節でした。